教室用新ギター教本(青本)解説
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「教室用新ギター教本」(青本)解説NUEVA EDICIÓN ESCUELA DE LA GUITARRA Commentary

練習59 Esercizio F. Carulli

出典1

Carulli, Ferdinando. Méthode complette pour guitarre composée expressement pour l'enseignement de son fils Gustave par Ferdinando Carulli Op.27. Paris, Launer, n.d. (1829?), p.35. (Quatrième Edition)
F. カルリ「フェルディナンド・カルリによって彼の息子グスタボ教育のためことさらに作曲されたギターのための完全な教則本」(第4版)

初版は1810年か1811年くらい(※1)と言われています。グスタボは1801年生まれですので初版の時は10歳くらいです。グスタボも音楽家となります。

出典2

Carulli, Ferdinando. Méthode complete pour parvenir à pincer la guitare, par les moyens les plus simples et les plus faciles, suivie de 44 morceaux graduellement progressifs & six etudes, Dédiée à messieurs les professeurs & amateurs de cet instrument Op.241. Paris, Launer, Ed.6, n.d.(ca.1825), p.49.
F. カルリ「最もシンプルかつ簡単な方法でギターが弾けるようになるための完全な教則本 漸進的に進む44の曲と6つのエチュードに沿って この楽器の専門家と愛好家の皆さんに捧げます」

解説

カルリの教本と青本では運指の違いが6ヶ所あります。7、12、15、16小節でミ-レのところはカルリの教本では振動スラーですが、青本では全て4-2の普通のスラーに変更されています。10小節目の#レ-ミはカルリはimで弾く運指ですが青本ではスラーに変更されています。13小節目のミ-ファはカルリOp.241では1-3のスラー(2弦で)ですが、青本では0-1のスラー(1弦で)に変更されています。
7、12、15、16小節ですが、振動スラーは初心者には難しく音が出ずらいため、青本のように普通のスラーに変更した方が良いと思います。私もあまり振動スラーを使わないので普通のスラーを使うことの方が多いです。
10小節目の変更はスラーで弾いても弾かなくてもどちらでもよいと思います。難しければ弾いてもよいし、4でのスラーの練習のためにスラーで弾いてもよいと思います。
13小節目のミ-ファは1弦のスラーで弾いた方が易しいので青本のように弾くので良いと思います。

注釈

※1 「Ferdinando Carulli」(2022年1月20日08:47 UTCの版)『ウィキペディアフランス語版』では1810年。https://fr.wikipedia.org/wiki/Ferdinando_Carulli
Méthode complète, Op.27 (Carulli, Ferdinando) 『IMSLP』では1811?年。https://imslp.org/wiki/M%C3%A9thode_compl%C3%A8te%2C_Op.27_(Carulli%2C_Ferdinando)

ポイント

振動スラー(叩くスラー)は音が出ずらいので次の3つのポイントを心がけて練習してください。。
1,指先の骨の頭を、弦に対して真上から当てるようにする。
2,弦と指の間の距離を空け、他なるべく高い位置から指を落とす。
3,指を落とすスピードをできるだけ早くする。

青本でのスラーの解説についてはリガード(スラー)の練習を、カルリのスラーの解説について詳しくは、カルリ教本のスラー解説(O.27 と Op.241 の原文・日本語訳)をご覧ください。

オリジナル楽譜(浄書)

F. カルリ 「フェルディナンド・カルリによって彼の息子グスタボ教育のためことさらに作曲されたギターのための完全な教則本」(第4版)35ページポコアレグレット

F. カルリ 「最もシンプルかつ簡単な方法でギターが弾けるようになるための完全な教則本 漸進的に進む44の曲と6つのエチュードに沿って この楽器の専門家と愛好家の皆さんに捧げます」49ページポコアレグレット

   
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