「教室用新ギター教本」(青本)解説NUEVA EDICIÓN ESCUELA DE LA GUITARRA Explanation
練習57 Preludio F. Carulli
出典
初版は1810年か1811年くらい(※1)と言われています。グスタボは1801年生まれですので初版の時は10歳くらいです。グスタボも音楽家となります。
解説
この曲はカルリの教本からの転載ですが、約6ページにわたるスラーの解説の中に掲載された練習曲の一つです。上行、下行の基本になるスラーを練習してからの曲となります。カルリの教本のスラーについては別のページで、全部を翻訳してサイトに掲載します。後に出版された教本Op.241にも役ページほどスラーの解説が掲載されています。こちらも全部を翻訳してサイトに掲載します。
注釈
※1 「Ferdinando Carulli」(2022年1月20日08:47 UTCの版)『ウィキペディアフランス語版』では1810年。https://fr.wikipedia.org/wiki/Ferdinando_Carulli
Méthode complète, Op.27 (Carulli, Ferdinando) 『IMSLP』では1811?年。https://imslp.org/wiki/M%C3%A9thode_compl%C3%A8te%2C_Op.27_(Carulli%2C_Ferdinando)
ポイント
親指を滑らせる、と1小節目に書かれています。カルリは低音弦の上行の中で、ある弦上の音符を弾いた後で次の開放弦の音符にスラーをしなければならない時、右手の親指を持ち上げずに弦から他の弦へ滑らせると解説しています。そしてそれはスラーの効果を生むとも述べています。5小節目の滑らせるも同様です。
エコーというのは、下行で次の弦の別の音にスラーしなくてはいけない時に行う、とカルリは述べています。エコーはある弦に振動を与え、続く弦の上に力強く左手の指をもたせかけ弾かずに行うと解説していますが、弦を左手で叩いて音を出すスラーのことです。
ただ、初心者の方には叩いて音を出すのが難しい場合もあるので、iかmを滑らせて2つの弦の音を出してもよいとレッスンするときもあります。カルリの教本で述べられた弾き方ではありませんが、親指を滑らせ2つの弦を出しスラーの効果を生む弾き方の応用と思っています。
6小節目の1拍目の音符に点がついていますが、これはスタッカートの意味でなく「2つの指で弾かなければならない」とカルリは述べています。
オリジナル楽譜(浄書)
