「教室用新ギター教本」(青本)解説NUEVA EDICIÓN ESCUELA DE LA GUITARRA Commentary
練習67 Divertissement F. Carulli
出典1
初版は1822年くらい(※1)と言われています。
※1 List of compositions by Ferdinando Carulli (最終確認:2026年3月24日)
解説
この楽譜の表紙にはChez CARLI Editeur(カルリ出版社で)と記載されています。また、表紙の下の方にはLaunerとも記載され、さらにその下にd'engagement de Carli(カルリの契約)と書かれているように見えます。これはLaunerからカルリが自費出版したのだと思います。
また曲の前には「Après la gamme, l'exercice, et le morceau en LA minueur à la page 20 de la méthode.」と書かれています。これは「音階、練習、教則本20ページのイ短調の曲の後で」という意味です。教則本とはOp.27の教本を指していて、イ短調の曲とは青本の32~33ページに掲載されている練習33のことです。
Divertissemenet(嬉遊曲)というタイトルは教本に付いていなくModeratoとされています。カルリはDivertissemenetというタイトルで楽譜をいくつも出版していますが、この曲をネットでは見つけられませんでした。
オリジナルでは38小節目にミレ♯ミレ♯ミレ♯ミレ♯という箇所がありますが、青本では抜けています。また26小節目の低音がド―ドでなくド―ラです。ですが記譜ミスでドードが正しいと思います。
21小節目の低音ファ、51小節1拍目(青本では50小節目)の低音ファについている*は、左手の親指をネックの後ろから握りこんで押さえるよう指示されている記号(オリジナルの記号は横にもう1本線が入ります)です。現代ではこのように弾くことはほぼありませんが、その当時ではこの左手で押さえる指示を書いてある楽譜をよく見かけ、練習66のジュリアーニのオリジナル譜などにもみられます。
オリジナルでは3、12、31、33小節以外は右手の運指が付いていません。
ポイント
開放弦で低音を弾く場合、消音をしないと記譜された音価より長く響いてしまいます。このような場合は消音をした方が良いです。特に1~18小節と39~48小節は消音が必要です。休符や次の音になるタイミングで右手のp指を消したい音の弦に乗せることで消音できます。p指の外側で隣の弦に触れることで消音する方法もあります。
メロディーが裏拍でつながっている箇所は音がつながるように弾くとよいです。3~4小節のソ#ミ→ラレ#→シレ→ド(6回同じフレーズがあります)、11~12小節のファ→ミ→レ→ド→ド→シ、21小節のレ→ド→シの箇所です。いずれもメロディーの間に低音が入ってきますが、低音で左指を離さず次のメロディーの音まで左指を押さえていくことでメロディーをつなげます。
先にセーハをして左の運指をスムーズにするとよいのが20小節と、50、52小節です。ここは最後のドでセーハをし、ドの音を押さえた方がスムーズです。20小節はセーハのようですが指先は弦に触れず指の根元でドを押さえ、低音のミが切れないようにします。そして21小節の頭で1の指を全て押さえてセーハします。
オリジナル楽譜(浄書)
