「教室用新ギター教本」(青本)解説NUEVA EDICIÓN ESCUELA DE LA GUITARRA Commentary
練習66 Allegro M. Giuliani
出典
解説
ジュリアーニの「ギター教則本」からの転載です。「ギター教則本」の初版はimslpでは1812年とされています。A. Kühnel という出版社はペータースの前身の会社でペータースのウェブサイトやimslpに情報が掲載されています。
Edition Peters
IMSLP:Music Publishers
これらの資料によると、1800年12月1日に指揮者兼作曲家のフランツ・アントン・ホフマイスター(1754-1812)とオルガニストA. キューネル(1770-1813)がライプツィヒで'Bureau de Musique'(音楽事務所)を設立し、1813年にキューネルが死亡した後にカール・フリードリヒ・ペータース(1779-1827)が会社を買い取ったそうです。
ジュリアーニの「ギター教則本」で、この曲の前にはi,mを交互に弾くよう指示されています。青本ではaも私用し、1~3弦にわたる場合は1弦にa、2弦にm、3弦にi、を割り当てて弾く指示に変更しています。
また、現代のクラシックギターの奏法ではほとんど行いませんが、後半18~20小節で低音の6弦を左手の親指で押さえるよう指示しています。この部分は左手の親指を使わず、青本に書かれた運指で弾くとよいでしょう。
ジュリアーニの「ギター教則本」はイタリア語・ドイツ語・フランス語の3か国語で書かれています。曲の前の解説の原文と日本語訳も掲載しておきます。
イタリア語と日本語訳
ドイツ語と日本語訳
フランス語と日本語訳
※1 デタシェはヴァイオリンなどで弓を一音一音返して弾く奏法を指示する時に使われる言葉です。ここでのデタシェはスラーをせず、右手の指で弾いて音を出すことを意味していると思います。この本のオリジナルは伊・独・仏の3か国語で書かれていて、この部分のイタリア語とドイツ語はスタッカート(staccato)と書かれていますが、音を短く切るという意味で使われてはいなく、デタシェで右手の指で弾いて音を出すことを意味していると思います。
ポイント
この曲は右手が疲れず速く弾くために、i,mを交互に使うよう、ジュリアーニは解説しています。
18~20小節はメロディーが1~3弦にわたり、移弦の際に隣でなくひとつ先の弦に移動します。この場合、3弦をi、2弦をm、1弦をaに弾く指と弦を固定する奏法もあります。
青本ではこの奏法で運指がつけられています。
さらにこの箇所は、オリジナルでは左手の親指を使用する運指ですが、現代では通常、左手の親指を使用しないため青本の運指で弾くほうがよいです。この運指の場合、17小節までは左手のフォームがフレットと左手の指が平行になるフォームですが、18~20小節は 小指側をネックから遠ざけたフレットと左手が平行でなく斜めになるフォームに変えて弾きます。
オリジナル楽譜(浄書)
