教室用新ギター教本(青本)解説
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「教室用新ギター教本」(青本)解説NUEVA EDICIÓN ESCUELA DE LA GUITARRA Commentary

練習58 Estudio A. Cano

出典

Cano, Antonio. Método completo de guitarra, con un tratado de armonia aplicado a este Instrument. Madrid, Antonio Romero, n.d.[1869], p.4.
A.カーノ「この楽器に和声の論文を適用した完全なギター教則本」

解説

カーノの教則本からの転載です。オリジナルは8分の3拍子のワルツですが、青本では4分の3拍子に変更され運指が付け加えられています。
また、次の説明が書かれています。

(1) El 1.er ligado スラーの記号 se hace pulsando la primera nota y dejando caer el dedo de la izquierda ala nota inmediata con alguna fuerza. si hay tres e mas notes ligadas se ejecutan por el mismo orden, no pulsando mas que la primera, el segundo se hase pulsando la primera nota y levantando el dedo de la izquierda, que la pisa un poco arrastrado, para que se oiga bien teniendo cuidado de mantener firme el (primera nota?)※1.

(1)最初のスラー スラーの記号 は1番目の音符を弾き、多少の力を入れ隣接して並んだ音符へ左の指を落としそのままにすることで出されます。もし3つ以上のスラーであれば、同じ規則によって弾かれます。1番目しか弾かず、2番目は最初の音符を弾いて、(最初の音符)をしっかりと保つことに注意しよく聞こえさせるために、左の指を少し引っ張って弾いて持ち上げることで出されます。
※1 ()内はオリジナル資料がかすれてよく読めなかったため、可能性の強い言葉 primera nota(最初の音符)をあてはめました。

ポイント

スラーの方法は今までのカルリやカルカッシの方法と同じです。3小節2拍目のミ-レは振動スラーでなく2弦での指を引っ掛け持ち上げるタイプの下行スラーになっています。オリジナルでは2-1ですが、青本のように4-2で弾く方がやりやすいと思います。
この曲は3拍目から次の小節の2拍目までをひとまとまりにつなげて弾くとよいです。途中1拍目の音が短くなりがちですので、レガートにつながるよう練習してください。

オリジナル楽譜(浄書)

A.カーノ「この楽器に和声の論文を適用した完全なギター教則本」4ページ

   
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